ーー 11月28日 ーー
11月はまた、私の事業所と契約している利用者さんたちが学校・教育委員会との間で調整が必要でした。これは実に大変な重労働でした。
小中学校の先生たちは、研修を受けているので、「発達障害」「特別支援教育」について大まかな理解をしているはずです。しかし、目の前にいる障害がある児童生徒を理解すること(アセスメント)にとても苦労する場合が実際にはあります。先生たちにとって自分たちの経験や入門段階の研修の知識ではとても歯が立たないお子さんの状態があるのです。学校や教育委員会で専門家だと言われている職員にも初めてのケースで知識がないということがあります。こうなると、学校も教育委員会もどうしていいのかわからないというのが実情ではないでしょうか?
これを何とか円満にそのお子さんに合った本来のあるべき教育が行われるように進めていきたいのです。というより、そうしなければならないのです。これは、お子さんとご家族を尊重してていねいに相談していくというごく常識的な対応と、これまで自分たちが身につけてきた考えでは太刀打ちできないためにそのお子さんの状態に合った支援方法を全力で探す(この方法はこれまでの自分たちの常識からかけ離れている場合もある)という両面を同時に進めていく困難な作業です。お子さんやご家族が不安に思うことがないように、「今はわからないけど、みんなで力を合わせてお子さんに合う教育をしようと努力しています。ご家庭からも協力をお願いします」というようにやっていきます。ところが、ややもすると、これまでの自分たちの常識が優先して、保護者からの要望に「それはムリ」と応じてしまいはしないでしょうか?もしかすると、私たちにはうかがいしれないことですが、学校と教育委員会にはそう言わざるを得ない実情があるのかもしれませんが。
文部科学省も厚生労働省も「家庭と教育と福祉の連携(トライアングルプロジェクト)」を謳っています。でも、現場はそれが認識されているのでしょうか?たとえ認識されていてもどのようにたらいいのかがわからないと思います。どの関係者もお互いを尊重して、虚心坦懐に、粘り強く話し合いを始めてはどうかなと思うのです。